History of Real Estate 不動産業の歴史と業界、 仕事の意義を、ちょっとだけお勉強。

Chapter01 不動産業の歴史

「不動産」という言葉が日本で最初に使われたのは、明治初期であったといわれています。その始まりには2つの説があります。

まずひとつはフランス語を翻訳したというもの。明治3年、民法の編纂が行われた際、フランス民法を翻訳し、その訳出のなかで「動産不動産」なる言葉を使ったという説。

もうひとつは、オランダ語を翻訳したというもの。明治5年、文部省が刊行した「和蘭邑法」のなかで「不動産」という言葉を用いた、という説です。

まあ、どちらが先かはひとまず置いておいても、この言葉が発生したのは明治初期であり、また法律用語として表れたのは注目すべき点です。

とはいえ、不動産管理的な業務は江戸時代からすでに日本でも始まっていました。それは、貸家・貸地の差配(管理)といった業務で、富商や大地主の貸家(家作)を差配(管理)していくものです。その差配人には、町方の各地区の世話役などが当たっていました。

しかし、明治初期に不動産という言葉が登場し、また人々が積極的に事業を起こし始めた明治中期にもなると「仲介業者」やいわゆる「不動産会社(仲介も行う)」が発生してきました。

これらは、町内の有力者、世話役、家作差配人(貸家管理人、大家)などが、他人の依頼で取引の世話をしているうちに職業化したり、金融業者の担保流れ不動産の処理を請け負っていたのが売買仲介業者になったりしたもののようです。さらに、職業周旋業(口入屋)が副業として土地売買や貸家貸借の斡旋をしていたものが本業化したものもあるようです。

Chapter 02 不動産業とは

不動産業は、大別すると「開発・分譲業」「賃貸業」「仲介(流通)業」「管理業」と4つの業態に分かれるといわれます。

「開発・分譲業」とは、自社で住宅開発や大規模な都市再開発、リゾート開発などを行う業者のことで、一般的にはデベロッパーといわれています。土地造成や都市基盤の整備、住宅やビル、各種施設を建設し、さらには分譲・賃貸経営を行うとこともあります。このうち、建築一式を請け負う総合建設業者をゼネコン(=ゼネラル・コントラクター)といいます。

「賃貸業」とは、自己が所有する不動産を他者に貸付ける業者(個人であることも)をいいます。また「仲介(流通)業」とは、不動産取引の当事者、つまり売主と買主、貸主と借主の間に立って、取引を仲立ちする業者のことで「街の不動産屋さん」として営業しているケースが多くあります。さらに「管理業」とは、実際に人が利用している不動産を管理する業者をいいます。

このうち「賃貸業」「仲介業」「管理業」は、市場の賃貸住宅ニーズに応える業種であることから、互いに「持ちつ持たれつ」の関係にあることが多く、またそれぞれの業態を統合して事業を行っている業者も数多くあります。渡辺住研も、その主業務は不動産仲介ですが、自社物件を持っていることから「賃貸業」でもあり、また不動産の管理を請け負っていることから「管理業」でもあります。

なお不動産業を営むには、その不動産会社の事務所に、従事者5人に1人以上、案内所には1人以上の専任の「宅地建物取引主任」を置くことが、宅建業法により義務づけられています。

Chapter03 不動産業の社会的な意義

日本の国土はその7割が森林地帯であるため、私たちが住める、あるいは活動できる地域は非常に限られていることになります。つまりこれを有効活用することが望まれ、それを担うのが不動産業なのです。

そのなかで「開発・分譲業」は、いうまでもなく人々が快適にまた安全に暮らし、生活していける空間を創っていくことを使命としています。また「賃貸業」「仲介業」「管理業」は、地域の大規模な開発や建物の建築はしませんが、市場の賃貸住宅のニーズに的確に応え、お客さま方のよりよい暮らしに貢献していくことが、その社会的意義だということができます。

そのために、不動産取引に関するあらゆる専門知識、不動産価格または賃料の相場変動、現在流通している不動産の把握、その他、地域情報に精通していることなどが、私たちには必要になっているのです。